Organisational Behaviour (日本語だと「組織行動学」かな?)の研究で
PhD学生がすごい調査結果を発表した。
How workplace 'bad apples' spoil barrels of good employees
(職場での「腐ったリンゴ」は良い従業員を台無しにする)
「A rotten apple spoils the barrel」という西洋の諺が元になってます。
単純に面白い。実際に調査結果として出されると、背筋が寒くなる思いだ。
実証されたので「そんなことはないよ」とは言いにくくなってくる。
内容をかいつまんで言うと、"how, when and why the behaviors of one negative member can have powerful and often detrimental influence on teams and groups" (どのように、いつ、そしてなぜ、一人のネガティヴなメンバーの態度がチームやグループに悪影響を及ぼすか)ということを研究した結果が載っている。この研究はもちろん彼の学位論文になっただろうし、Research in Organizational Behavior という学術雑誌にも掲載されている。
このネガティヴなメンバーというのは、仕事の分配を公平にしない(自分だけ美味しい所を取り、嫌な仕事から逃げる)、感情的、相対的に文句ばかり言っている、誰か適当な相手を見つけて苛めたり攻撃したりする、などの性格を持つ人間のことだそうだ。この、たった一人の "toxic" であるメンバーがいることにより、チームが全体として悪い方のスパイラルに堕ちて行ってしまう、という傾向があり、挙句の果てには組織全体を駆逐してしまう所まで行ってしまう、ということだそうだ。
もう一つ怖いのは、逆説が成り立たない、ということである。二、三人の良いメンバーが何とかグループを良くしようとしても、その努力はたった一人の「悪貨」のために、ムダに終わってしまう、というのだ。「良貨は悪貨を駆逐できない」のである。そうなると、「悪貨」を見つけた時点で対処しなければならない。一人のネガティヴな従業員の態度は、Virus のように拡散していく。やがて会社全体の機能やシステムを破壊するまでになる、ということが判明したのだから。
さて、このことが分かった時点で、次の問題は、"How can companies avoid experiencing the "bad apple" phenomenon? " である。いわゆる解決策の提議。これを出していくにはさらなる研究が必要だと思われるが、まずは雇用の段階で、きちんとした条件のもとに、人員を選び出す必要がある。性格テスト(例:MBIT)などを導入して、チームメンバーを構成する必要がある。しかしながら現時点では、その人を一人でやる仕事に回すか(隔離)、止めさせるか(駆除)、しかないようだ。彼の研究の今後に期待するとしよう。
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